うっかりまこベエのうっかり日記1
うっかりし続け44年。うっかり産まれ、うっかりよく食べ、うっかり笑う。
だからこそ、人に助けられ、生き続けられた。
のり良く、真面目に生きること。
そのポリシーがうっかりだった。
6歳の少年期、同級生の女の子にあだ名を付けられた。
まこべえ。
それがうっかり人生の始まり。
好きになった。
気を引きたくて、胴体が黄色と黒の斑の蜘蛛を投げつけた。
仲良くなった。
手を繋いだ。
一緒に裏山で遊んだ。
うっかり、マジックでひげを書かれた。
うっかり、お尻を蹴られた。
その子は転校していった。
悲しくなった。寂しくなった。
好きにならなければ、こんな感情になることはないと思った。
うっかりの初恋。
うっかりは悲しい感情をもたらす。